この名称の傷病の事案は、高次脳機能障害、頚髄損傷。低髄液圧症候群などの別の傷病とともに問題となることがほとんどで、
この傷病が単独で問題となる事案は非常に少ないです。裁判でこの傷病が認められた事案は少なく、ほとんど全てが被害者側敗訴です。
この病名と同時に問題となる別の傷病の方が主たる争点になっていることがほとんどであるのでその主張に力を入れる方が良いと思います。
その他の傷病
その他の傷病
この名称の傷病の事案は、高次脳機能障害、頚髄損傷。低髄液圧症候群などの別の傷病とともに問題となることがほとんどで、
この傷病が単独で問題となる事案は非常に少ないです。裁判でこの傷病が認められた事案は少なく、ほとんど全てが被害者側敗訴です。
この病名と同時に問題となる別の傷病の方が主たる争点になっていることがほとんどであるのでその主張に力を入れる方が良いと思います。
損保側は、事故前からヘルニアが存在していたので事故により生じたものではないとの主張をすることがほぼ恒例となっています。
事故により生じたヘルニアは事故後に自然に改善する事も多いので、事故後のMRIで改善が見られれば事故により生じたとの反論ができます。
また、画像についてアーチフェクト(画像化する上での誤り)と主張することも多いです。アーチフェクトについては、
医学的知識があれば反論できます。また、現実の画像を見ればその部分がアーチフェクトでないことは明らかであることが多く、
画像をプリントアウトして提出することも効果的です。
この疾患が問題となった裁判例は少なくありません。加害者側より、①事故前にすでに発症していたとの主張と、 ②素因が7~9割であるとの過大な素因の主張がなされることに特徴があります。その結果、裁判例では過大な素因が認定される傾向があります。 いずれも医学的知識があれば反論できます。
この疾患は事故前から存在していたことが問題となります。従って、損保側からは素因が7~9割との過大な素因の主張がなされます。
裁判例でも過大な素因が認定される傾向があります。これに対しては、素因減額それ自体への批判をすることになります。
例えば、血友病の患者が事故に遭って普通の人より出血が多いことが後遺障害に繋がった(例えば9割の寄与度)であるとして、
それを素因として考慮することは人権無視も甚だしいと思います。疾患を有することそれ自体で人として差別されることはあってはならないと思います。
この傷病が問題となる事案は多くはないのですが、少なくないとも言えます。自賠では無視とされ、
訴訟では損保側(加害者側)は傷病の否定を主張することが恒例です。被害者側敗訴の裁判例が圧倒的に多い事案です。
対応としては、「診断=症状」ではないとの基本的なことを主張する必要があります。「交通事故により交通事故で生じるたぐいの症状が出現した」
ことが確認できれば病名にこだわる必要はありません。症状の存在は通院状況や担当医の見解、就労状況などにより主張します。
被害者側敗訴がほぼ全部の事案ですので、訴訟で争う場合は事前に複数の病院で診断を受けておいたほうが良いと思います。
視力が完全になくなった場合にはその症状を加害者が争うことはまずありません。問題は視力低下です。この場合、訴訟では加害者は症状を争い、自賠でもそれを見越して視力低下の症状を否定するというマッチポンプの関係が存在する事案が散見されます。視力低下が始まるまでに一定の期間がある事案や徐々に低下した事案では加害者側が事故との因果関係を否定する主張をすることも予想されます。
基本的には医学的知識で反論する必要があります。加害者側はRAPD(相対性求心性瞳孔反応)という反射テストが絶対であり、これによりMRIもCTも否定されるとの主張をする事があります。一般的には反射テストの感度は低いので(感度10%ほど)、医学的には無視してよい主張とも言えますが、裁判官がその意見書を信じ込んでしまうと厄介です。
その他の医学意見書の主張も医学的には笑止千万であることが普通ですが、損保の医学意見書を信じ込んでしまう裁判官が多いため、自賠責で否定された時点で念のため新たに大学病院などでも診察・診断を複数受けておく方が良いと思います。
臀部で坐骨神経が絞扼されるものです。裁判例は少ないですが、私は4件ほどこの診断を受けた事件を受任したことがあります。訴訟では加害者は医学意見書を出して病名を否定することが通常です。
対策としては医学的知識を用いる必要があります。交通事故により生じることが多い疾患であるように思うので、その点も主張した方が良いと思います。訴訟で争う場合には他の病院でも診断を受けたほうが良いのですが、その検査・診断ができる医療機関が少ないという難点があります。
足首部分で神経が絞扼を受けて足首以下の部分で痛みやしびれ、夜間痛などが生じるものです。裁判例は非常に少ないです。私はこの疾患の診断を受けていないものの、その症状が出ていた事案を2件受けたことがあります。この疾患との類似性を主張することで2件とも勝訴判決となりました。診断を受けていなくとも、足首の神経が障害されると類似する症状が出現することを主張することが有効です。
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